よく知っている窓を一つ選んでみてください。自宅でも、普段立ち寄る場所でも構いません。まずは写真を撮らず、外を一分ほど眺めます。何が見えるかを、できるだけ具体的な言葉で三つ書き留めます。きれい、静か、といった感想は、少しあとに取っておきます。
次に、視線を手前へ戻します。窓の枠、ガラスに映るもの、こちら側の明るさ。外だけを見ていたときには気づかなかったものも、見ている風景の一部です。三つの記録に、手前で見つけたものを一つ加えてみてください。
もう一度同じ場所へ来られるなら、違う時間にも繰り返します。前の記録と比べて、変わったものと変わらないものを分ける。特別な出来事がなくても、見る時刻や立つ位置によって、書き留めるものが変わるかもしれません。
この小さな観察は、良い写真を撮るための採点ではありません。自分の視線が何を選び、何を省いているのかを確かめる練習です。本棚001の三冊も、その隣に置いてみてください。本の中で見つけた問いが、あなたの窓の前ではどんな形になるでしょうか。
