本を選ぶとき、著者やジャンルから始める方法があります。小坪書房では、もう一つ、風景から始める方法を試します。道の曲がり角、机の上、窓に映る部屋。先に一つの場面を置き、そこへどんな本を並べると、見方が変わるのかを考えます。
三冊を同じ答えに揃える必要はありません。一冊は遠くへ想像を広げ、別の一冊は具体的なものへ戻し、もう一冊は言葉になる前の感覚を残す。その違いが、棚の中に余白をつくります。全部を読まなくても、一冊を選ぶ理由が見つかれば、その棚は役目を果たしたと考えています。
読者にも、同じ方法を使ってもらえたらと思います。好きな風景を一つ思い浮かべて、手元の本を三冊並べる。選んだ理由を一行ずつ書き、一冊だけ入れ替えてみる。それだけで、風景のどこに惹かれていたのかが少し見えてきます。
本棚は、知識を分類する場所であると同時に、ものの見方を試す場所にもなります。小坪書房では、三冊が一緒にある理由を毎回書き残します。その理由から、一冊との新しい出会いが始まることを願っています。
